8月1日、ようやく北陸地方の梅雨明けが発表され、富山にも本格的な夏がやってきました。
今年は、梅雨入り、明け共に遅い年になりましたが、近年はカラ梅雨が続いていたので久しぶりに梅雨らしい6、7月だったと思います。稲の生育も順調で、早生品種のてんたかくは、今月の20日頃から刈取りがはじまるので田んぼの管理作業も大詰めです。
さて、オリンピックイヤーということで普段あまりテレビはつけない派ですが、最近は、テレビに釘付けになることもしばしば。四年に一度のこの舞台に照準を合わせて、鍛え上げられた肉体と技術と精神、そしてそこにある勝ち負けの人間ドラマがエンターテイメントとしてだけでなく、今の自分に問いかけるものもあり、考えさせられます。よく「勝っても、負けても・・・」という言葉がありますが、これは第三者目線で、当の本人は当然「勝ち」にこだわって四年間準備してきたはずです。勝負事なので、金メダルで歓喜する向こう側には必ず敗者がいます。どんな選手でも負けることを経験するから勝ちにこだわって、厳しいトレーニングに耐えることができるはずです。負けることは中長期的に見れば自分を成長させるエネルギーです。言葉では簡単ですが、極限状態のアスリートほど負けることは、絶望感やプレッシャーを与えるものだと思います。今回のオリンピックでは、スケートボードの堀米選手が長い間スランプだったのを見事にはねのけて、一発勝負のほんの数秒のランディングを成功させたのは本当に感動しました。
今年は、のろしファームでは、30ha250枚の田んぼを管理していますが、これは私が自分に課したハードルです。農業を「戦いや、勝ち負け」というと違和感を感じる人もいるかもしれませんが、猛暑の中の終わりのない草刈り、疲れた後の夕方の水回りは私にとって「絶対に負けられない戦い」です。負けることは農家にとっては収穫できないということ。私もこれまで数知れず負けを経験してきたおかげか、農業で勝つということの価値がだんだんと分かってきました。
ありがとうオリンピック。
出穂:水が必要な時期 用水周りを綺麗にする