NOROSHI FARM JOURNAL 2026.3

いつものろしファームをご愛顧いただきありがとうございます。
3月になり、いよいよ今年の農作業も本格始動する季節になりました。
今年は、2回ほど大雪に見舞われましたが、ここ最近の暖かさで雪も一気に溶け、数か月ぶりに田んぼの土も顔を出してきました。春の訪れは気温からも感じますが、「匂い」も大事な要素です。匂いを表現するのは難しいですが、冬は「水の匂い」春は「土と芽吹きの匂い」そんな気がします。この匂いは不思議なもので、段々としてくるというより明確に「この日」からというものがあります。その後、三寒四温で匂いも冬と春を繰り返すような日が続きます。

「春は苦みを盛れ」

春の匂いが感じられると、真っ先に思いつくのが山菜。先ずは「ふきのとう」です。
ふんわりと広がる独特の香りとほろ苦さが、冬眠していた身体を目覚めさせてくれます。
冬の間、寒さに耐えるために脂肪や老廃物を溜め込みがちだった私たちの身体にとって、春の「苦み」はいわば天然の目覚まし時計のような役割を果たしてくれます。具体的には、山菜に含まれる「植物性アルカロイド」や「ポリフェノール」が苦みの主な成分で、これらが、冬の間に滞っていた新陳代謝を促進し、肝臓の働きを助けて老廃物の排出を促すそうです。

畔に芽吹いたばかりのふきのとう

「植物が芽吹くときのエネルギーが凄い」

山菜は「ふきのとう」「タラの芽」「コシアブラ」など芽吹いたばかりの芽を食べることが多いです。
芽が出て自力で光合成ができるようになるまでの種子の中には「お弁当」として、タンパク質やデンプンなどの栄養がギッシリ詰まっているのでそうです。
植物の全生涯で種子は最も栄養が凝縮された状態で、地温と水分を得た瞬間、休眠状態だった酵素が一斉に活動を開始し、蓄えたエネルギーを爆発的なスピードで成長エネルギーへと変換します。小さくて柔らかそうな芽が、アスファルトを突き破ったり、重い土を押し除けたりする姿には、驚異的なパワーが秘められていますが、植物にとって発芽は、失敗すればそこで終わりですから「一生に一度の命がけのイベント」なのです。

「春は甘さよりに苦み」

これから一年で一番忙しい春の農作業が始まります。
里山の植物たちから芽吹きのエネルギーと旬の苦みをし っかり噛みしめて、軽やかな足取りで今年の米作りをスタートさせたいです。
春の新生活も、最初は山菜の「あく」のように、慣れない環境や緊張という「苦さ」があるかもしれませんが、甘さではなく「苦み」が自分を成長させてくれると思って新しい季節へ踏み出そうと思います。

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