NOROSHI FARM JOURNAL 2024 04

こんにちは、いつものろしファームをご愛顧いただきありがとうございます。

いよいよ1年で1番の繁忙期になります。種まきから始まり、田んぼに水を入れるための水路の掃除、トラクターでの耕起、田面を平にする代かきなど、様々な準備をして田植えを迎えます。

こういった作業を経て食べ物をつくる農業は、石油や水、土地などのいろいろな有限な資源と人間がつくりだした文明と自然界の仕組みの3つの掛け算で成り立っています。

私たち日本人と同じ水準の暮らしを世界中がすると、地球2.5個必要だと言われています。それが、アメリカであれば5個だそうです。そして、現在この指標は地球全体でみれば1.7個ですでにオーバーワークな状態にあります。日本では、昨日食べたものも忘れるくらい豊満な生活をしている一方で、世界では飢えている人がいます。それは、自然界と第三国の犠牲のもと私たちの満たされた生活が成り立っていることを意味します。

これらを踏まえると、資源を大量に使い、皆さんにお米という主要穀物を届ける農業の責任や役割は大きいです。

しかし、この狭い国土で1億人を植えさせすことなく余るほどのお米を生産できる日本の農業の生産性は限界を迎えています。正直いって冒頭にお伝えした今のやり方で農業現場でさらにできる改善はほぼありません。

残酷ですが、こういった現実も皆さんに知っていただきたいです。

だとすれば、『もっと便利に、もっと沢山』の消費する側の右肩上がりの考え方を改める時代がやってきたのだと思います。

こんな物質的なことももちろんですが、働き方や個人の価値観など精神的なことも含まれます。

時代の流れで少しずつ意識は高まってきてはいますが、まだまだ道半ばです。

私は生産者でもありもちろん消費者です。当然、資本出の真ん中で生活していますが、田んぼで稲の育つ過程や自然の循環する仕組みにふれると、ひとつ大きい枠組みでものごとを感じることができ、ふと「地球人だな」と実感することがあります。

「地球1個分の生活」「足るを知る」こういったことも皆さんと一緒に考えていければと思います。

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