NOROSHI FARM JOURNAL 2024 12

 いつも、のろしファームをご愛顧いただきましてありがとうございます。
 今年も早いもので師走になりました。今年は皆様にとってどのような年だったでしょうか?元旦の震災にはじまり、9月の能登豪雨、富山湾の向こう側の能登半島では1年に2度も大きな自然災害に見舞われました。来年はどうか穏やかな1年であることを心から願うばかりです。
 12月は毎年恒例のしめ飾りワークショップを開催しています。今年は3会場で約40組の方が参加される予定で、お米のお客様や地域の方々との交流、新しい出会いの場として10年近く続けているルーティンワークです。しめ飾りを作れるようになったのは、近所のばぁちゃんに興味半分で作り方を教わったのがきっかけで、途中何度か別の農家の方にも教わりましたが半ば我流で今までやってきました。もっと技術を高めたいと思っていたところ、隣町のしめ飾り協議会が講習会を開催するということで1日みっちり教わってきました。今回つくったのは、普通型の中央にボリュームがあるタイプのしめ飾りです。(神社の鳥居のしめ縄のミニタイプ)中央の太いところには、「あんこ」といわれる、かさ増しの藁が入っていて、あんこを見えないように編んでいくのが難しく腕の見せ所です。
 入善町しめ飾り協議会は、最盛期には会員が35名ほどいたそうですが、現在は5名。ほとんどが75歳を超えている高齢の方ばかりです。数人で編み込むような特大サイズをつくれる技術をもった方は町内で1名だけになったそうで技術の伝承と担い手の確保が急務です。
 ところで、スーパーやホームセンターで販売されている量産のしめ飾りの多くが輸入品だということはご存じでしょうか?しめ飾りは神社の鳥居に飾られているしめ縄を家庭用にしたものですが、そのような神聖で日本独自文化のモノを海外に頼ってつくらなければいけないとは情けない限りです。と同時に長く伝承することの難しさや、長く続けるために変化し続けることの大切さを感じます。
講習会で講師を務めた、おじいちゃん、おばぁちゃんの「分厚く、年季の入った働き者の手」は長く農村で働いてきた証です。時代の変化があまりに早く数年の間に衰退したしめ飾り協議会。その対比があまりに切なく「いつまでできるか分からんけど、好きながいちゃ」というばぁちゃんの言葉が岐路の車中で思い出されて心に沁みました。
 

 それでは、みなさま今年も大変お世話になりました。残りわずかとなりましたが皆様の健康とご多幸を祈願しまして今年の締めくくりとさせていただきます。よいお年をお迎えください。

講習会の後にノロシファームのおにぎーりを皆さまで召し上がってくださいました^^

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