NOROSHI FARM JOURNAL 2024 06

いつも、のろしファームをご愛顧いただきありがとうございます。6月1日現在、田植えは最後の追い込みに差し掛かっています。予定では6月10日頃の野あがりを目標に作業を進めています。田植えと同時に大麦の刈り取りも控えているので、相変わらず慌ただしい現場が続きます。

さて、今年はコロナ渦も明けて、久しぶりに田植えイベントを開催しました。普段のろしファームのお米を食べてくださっているみどり共同購入の会員様と一般募集のお客様、約30名で稗畠(ひえばたけ)集落の田んぼを手植えしました。私も、一緒に田んぼに入って手植えをしたのですが、後ろを振り返っても全然進んでいないし、昔はこれをすべて手作業でやっていたかと思うと信じられない忍耐力です。見渡す棚田すべてを家族・親戚総出で田植えしていた頃に比べると、今は田植え機で高速で植えていきますから技術の進歩に感謝です。
昔は正真正銘、生きるための米作り。稲(いね)の語源を調べてみると「命(いのち)」の「根(ね)」という説があるくらいです。稲は、土と水と太陽の力をかりて約半年かけて稔りますが、ひとたび天災に見舞われると大凶作になり、手塩にかけて育ててきたその苦労も水の泡です。当然その年は餓鬼とのたたかいになります。また、品種改良が進んでいないので病害虫にも弱く、毎年収穫できないかもしれない大きなリスクを背負って大変な田植えに挑んでいたのかと思うと、月並みな言葉ですが「やっぱり昔の人すごい!」って思います。

去年は日本各地で50年に一度といわれる大凶作の年で、最近もニュースで米不足や値上げが話題となっています。のろしファームも一部の品種で大減収となり、あらためて、米は当たり前に収穫できないことを身をもって経験しました。今回、みなさんと一緒に田植えしながら「命(いのち)の根(根)」をお届けする責任をあらためて実感しました。繁忙期とにかく日々の作業をこなすのに毎日必死なので、初心にかえる本当に良いイベントでした。

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