JOURNAL 2024 09

        8月24.25日 神奈川県、京都府からのワーホリスタッフと共に1周年感謝祭を準備する

 いつも、のろしファームをご愛顧いただきありがとうございます。9月になり灼熱の夏もひと段落して、お盆明けからサマータイムから平常勤務にもどりました。そしていよいよ、早生品種のてんたかくの稲刈りもはじまり、今年の収穫シーズンの幕開けです。
間もなく皆様の食卓に新米をお届けできると思うのですが、今回は、世間を騒がせている米不足についてお話ししたいと思います。お米の価格は農協からの概算金というものが市場全体に大きな影響を与えます。これは、市場や資材価格の変動など様々なことを加味して決める価格で、これを基準に米卸し価格、スーパーなどでの最終的な小売価格が決まります。米は野菜にくらべ、価格の変動が比較的少ないとされていますが、今年はかつてないほどの上げ幅で、富山県産で昨年に比べて二割弱ほど概算金が増えました。他県では最大4割上昇しています。もうひとつは、米卸業者が非常に高値で農家から米を買い取っています。通常、米卸業者は60キロあたり概算金より1割高ほどで取引するのが平均的な取引きなのですが、2割~3割高で取引されています。

今現在の、米不足の原因は様々なものがありますが、ひとついえることは米の価格は当面上がることが予想されます。私は、市場のことは報道されている範囲でしかわかりませんが、生産現場は、賃上げ、資材高騰に担い手不足で、価格が上昇したとはいえ、依然としてひっ迫した状況にあります。人口も減りますが、その速度より米の供給量の低下が上回るでしょう。先の25年で日本の農地が半減すると予測されていますが、生産現場の感覚ですと、ほぼ正確な内容だと思います。のろしファームの生産地区も例外ではなく10年足らずで3集落が消滅する見込みです。現在請け負っている田んぼは、かつて80軒ほどで管理していた田んぼですが、それをのろしファームの4、5人で管理しており、しかもスタッフは入社するまで農業経験はゼロ、社長の私でも10年です。これが日本の農業のリアルな姿です。稲作では、今後、個人経営や兼業農家のほとんどが離農して、ほんの数パーセントの組織経営している法人に農地は集約され、食糧安全保障は託されます。今回の米価格の高騰は、これらの変化に農業現場が耐えられなくなり、いよいよ食卓と折り合いをつけなければいけない時が来たということも一つの要因です。
「生産者と消費者が共にリスクを分け合う価格とは」こういった視点は普段メディアが報じない内容だと思います。「食べる人⇔つくるひと」相互関係にあり共に責任があるのです。のろしファームの24年産の価格は値上げの方向ですが、10月に価格改定した値段は市場がいくら混乱しようとも一年間は変動させません。ご予約のお米は一年間保管いたします。ご安心ください。食卓の皆様にとっても値上げは厳しいかと思いますが、これを機に互いの「納得感」を大切に関係がより強固になることを願っております。

                      ジビエ肉についてPOP製作で伝えるスタッフ柿澤

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